あなたの衛生管理は大丈夫? 実はキッチンは食中毒の温床だった?!

最近は気持ちの良いお天気が続いていますが、6月といえば梅雨の時期です。湿気が多くジメジメしたこの時期に気をつけなくてはいけないのが食中毒。細菌の多くは湿気を好むため、温度が上昇してきて湿気の多いこの時期は食中毒の発生リスクが急激に高まります。特に注意すべきなのがキッチン。食中毒の3割は家庭のキッチンで発生していると言われているほどなのです。しかも、食中毒菌は腐敗菌ではないので、におい・味・見かけに変化がありません。そのため、未然の対策が欠かせないのです。

そこで今回は、キッチンからの食中毒を予防する衛生管理方法をご紹介します。

食中毒の種類

カンピロバクター

症状:発熱・腹痛・下痢・血便など。稀に虫垂炎や腹膜炎などの症状が出ることもあり、2〜7日かかるのも特徴です。
感染経路:家畜(牛・豚・鶏)もしくはペット(犬・猫)の排泄物によって汚染された食品・水を介して感染します。

腸管出血性大腸菌(O-157など)

症状:出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)。最悪の場合、死に至ることもあります。
感染経路:菌に汚染された飲食物や、感染者の排出物に含まれる大腸菌が直接または間接的に口から入ることによって感染します。

黄色ブドウ球菌

症状:吐き気・嘔吐・腹痛・下痢など。
感染経路:黄色ブドウ球菌は健康な人の皮膚などにも存在している細菌です。調理をする人の手指に傷や湿疹があり、傷口が化膿している場合に食品を汚染してしまう恐れがあります。

サルモネラ

症状:吐き気・腹痛・発熱・下痢など。
感染経路:牛・豚・鶏などの食肉、卵などが原因となるケースが多く、加熱が十分でなかったり生の食品を食べることで感染します。

腸炎ビブリオ

症状:激しい腹痛・下痢など。
感染経路:魚介類などの海産物に付着しており、生食用のさしみや貝などから感染します。また、それらを使用した包丁・まな板・冷蔵庫を介して他の食品を汚染することも。

キッチンで食中毒の原因となる場所は?

スポンジ

意外にもキッチンで特に細菌で汚染されているのが、食器を洗うはずのスポンジです。水分が付着したスポンジは菌の温床となっており、栄養素を含んだ食べ物が付着することによって2週間も使用するとトイレ便座の20万倍にも増殖すると言われています。これらの菌には大腸菌・黄色ブドウ球菌が含まれていることもあり、食中毒の原因となる恐れがあります。

まな板・包丁

まな板は別名『菌のマンション』と呼ばれるほど細菌が付着しています。汚染されたまな板の上で調理することによって、まな板から食品に菌が移動し、食中毒が発生してしまうのです。
また、生食用と加熱用の食材を同じまな板・包丁で調理してしまうことによって、食品間で細菌が移動し食中毒が発生してしまうケースも少なくありません。

ふきん

見た目にはキレイに見えても湿ったまま放っておいてしまうと一気に菌が増殖してしまいます。使用後のふきんは、細菌の量で言えばぞうきんよりも汚いと言われるほどです。そのふきんでテーブルや食器を拭いてしまうと、かえって菌が広がってしまい、そこから食中毒に感染してしまう恐れがあります。

食中毒を予防する衛生管理対策!

スポンジは月に2回以上交換する

使用後のスポンジは食べ物のカスが残らないように洗浄し、水切れの良い場所でしっかりと乾燥させてください。また、少なくても月に2回は交換するようにしましょう。

まな板・包丁は食材ごとに使い分ける

肉・魚用・野菜用のように、食材ごとにまな板・包丁を使い分けるのがベストです。2セット用意するのが難しいという場合には、先に生野菜などの加熱しない食品を切り、加熱する生肉・魚類を後に切るようにしましょう。また、まな板の両面を使い分けたり、市販の使い捨てシートなどを使うのも効果的です。

使用後のまな板は洗浄・殺菌・乾燥を忘れずに

まな板を洗剤で洗っただけでは菌を完全に取り除くことはできません。熱湯をかけるか漂白剤で殺菌し、しっかりと乾燥させましょう。天日干しも効果的ですが、日差しの強さによってはまな板を痛めてしまうので注意が必要です。

生肉や魚・卵をさわったら手を洗う

調理作業前はもちろん、肉・魚・卵をさわった後や作業の合間には手を洗いましょう。石けんを使って、指の先や指の間・手の甲など、手全体をていねいに洗った後、最後に流水で十分にすすいでください。

冷凍食品の解凍は自然解凍を避け、電子レンジや冷蔵庫で行う

冷凍食品の解凍は電子レンジを使用したり、冷蔵庫内で行うようにしてください。室温で解凍した場合、食中毒菌が増えてしまう恐れがあります。

ふきんを使わずキッチンペーパーとアルコールスプレーを使用する

台所に干してあるふきんには多くの菌が付着しており、キレイにするつもりがかえって菌を広げてしまうことにもなりかねません。ふきんを使用せずに、アルコールスプレーをしキッチンペーパーで拭き取れば除菌もでき、べたつきなどもキレイに落とすことができます。

いかがでしたか?
普段何気なく使っているキッチンがいかに細菌の温床となっているかがおわかりいただけたのではないかと思います。
今回ご紹介した方法を参考にして、家庭内での衛生管理を徹底して食中毒を防ぎましょう。