女性にとって働きやすい職場環境づくりをするために大切なこと
今はまだ、男性が中心の職場環境になっています。
もちろん、昔と比べると男女平等の世界になりました。
しかし、現状は男女での差は完全には埋まっていません。
日本労働組合では、男女平等参画を進めるためにさまざまな取り組みをしています。
女性が働きやすい職場環境をつくるにはどうすればいいのでしょうか。
職場の環境をつくる「衛生管理者」の目線から一緒にチェックしましょう。
女性が働きやすい職場環境にしていきたい衛生管理者は、ぜひチェックしてくださいね。
目次
1.女性が働きやすいと感じる職場環境とは
女性が働きやすい職場環境にするには、女性の意見を幅広く取り入れることが大切です。
実際、働いている女性の意見を聞いてみました。
どのような職場環境が女性にとって働きやすいと感じるのでしょうか。
1-1.出産後の職場環境
ある企業が働いている女性にアンケートを実施したところ、およそ半分以上の54%が「職場に不満を抱いている」と答えました。
職場で働くときに、不利と感じたことのある女性は思っている以上に多いです。
理由の1つには、「出産後の職場環境」があります。
女性はいずれ結婚をして、子供を産むでしょう。子供を出産すれば、育児休暇をもらう必要があります。
しかし、休暇をもらった後、以前のポジション・役職から落ちたなど、キャリアを継続するには難しい環境になっているのです。
そのため、キャリアを長く続けるために結婚・出産を先延ばしにしている女性も少なくありません。
今現在、共働きをしている夫婦が多いからこそ、出産しても仕事が続けやすい職場環境をつくらなければならないでしょう。
1-2.待遇や給与に差がない職場環境
男性と女性では、「待遇」や「給与」に差があると不満を持っている女性も多いです。
男性は、自分のスキルや能力を生かしてキャリアアップができます。
しかし、女性は、「女性だから」だと昇進する機会を与えてくれない職場が多いのです。
女性の昇給を無視しています。
また、ある企業に勤めている女性は、「サポート業務しか与えてくれない」「プロジェクトを女性に任せてくれない」と、女性と男性ではまったく違う差別を感じているとおっしゃっていました。
このように、今はまだ、待遇や給与に差があります。
女性が働きやすい職場環境をつくるためには、待遇や給与が平等にしなければなりません。
女性にも昇給のチャンスを与えるような環境をつくることが大切ですね。
1-3.職場の雰囲気
女性が働きやすい職場は、「職場の雰囲気」も大きく関係しています。
実際、女性にどのような職場が働きやすい?と聞いたところ、「職場の雰囲気がいいところ」と答える人が半数以上でした。
仕事を辞める理由は人によってさまざまですが、ほとんどが人間トラブルでしょう。
職場の人と折り合いがつかず、居心地が悪くなると仕事も続けることができません。
お互いが思いやるいい環境だと、働きやすいと感じます。
女性の場合は、出産や育児のこともあるため、理解をしてくれる環境でないと働きにくいでしょう。
職場の雰囲気も女性にとって働きやすいような雰囲気にしなければなりません。
2.衛生管理者ができること
2-1.衛生管理者の役割
衛生管理者は、女性にとって働きやすい環境をつくることができます。
厚生労働省によると、衛生管理者の役割は主に4つです。
「労働者の危険・健康障害を防止するための処置」「労働者の安全・衛生のための教育を実施」「健康診断・健康の保持促進のための処置」「労働災害防止の原因・調査・再発防止対策」になります。
職場で働いているすべての人を見て、健康状態や職場環境の向上に力を入れなければなりません。
そのため、衛生管理者は労働者から深い信頼を得ることが大切になるでしょう。
職場に不満を持っている女性が、素直に相談できる相手でなければ衛生管理者として職場環境が改善できません。
職場環境を客観的に見る力やコミュニケーション能力を生かしていかなければならないでしょう。
2-2.女性にとって働きやすい環境にする計画の立案
人それぞれ、職場環境の受け取り方は違います。
個人の相談や悩みはもちろん、全体的に働きやすいと感じる環境にしていかなければなりません。
自分の気持ちや主観で働いてはいけないのが「衛生管理者」です。
職場で働いている人たち全員の気持ちを考えて、女性にとって働きやすい環境をつくることが大切になるでしょう。
全体的に考えるためには、個人だけでなく、さまざまな人の意見を聞かなければなりません。
そして、どうすれば皆が快適になる職場がつくれるのか、計画を立てる必要があります。
さまざまな人の意見を聞き、調査をしながら計画を事業者に立案するでしょう。
計画が認められれば、やっと働きやすい環境をつくる1歩が踏めるのです。
3.取り組みの事例
3-1.出産・育児をフォロー、支援する制度
大手企業では、女性が働きやすい環境づくりを積極的に行っているところもあります。
中でも、某有名なお菓子メーカーの取り組みを説明しましょう。
女性にとって大きな転機となる「出産・育児のフォロー制度」です。
次世代を担う子供たちのために、仕事と家庭が両立できる環境を目指す取り組みでもあります。
どのような内容になっているのでしょうか。
たとえば、妊娠が判明した後、出産する前のお休みを取得できる、子供が2歳になるまでの育児休業や育児短時間勤務の処置、看護休暇、出産祝い金などさまざまな内容がそろっています。実際に、出産・育児フォロー制度を利用した女性は、とても安心できる気持ちで出産に集中できたとおっしゃっていました。
出産・育児に前向きな職場環境は、女性にとってうれしいものです。
3-2.女性社員のためのキャリアプラン・ワークライフバランスの講習会
大手企業の中には、海外で活躍している女性取締役や社長を講師にした「講演会」を実施しているところがあります。
女性社員を対象にした、キャリアプランの考え方やワークとライフのバランスについての講習会です。
なかなか、取締役や重役などにつきにくい女性だからこそ、実際に重役で働いている女性の意見は大きな勇気になるでしょう。
講習会を積極的に企業側が開くことで、「自分にもキャリアアップができる」という自信を持つことができます。
このように、大手企業を筆頭に女性が働きやすい職場環境をつくる取り組みは実施しているのです。
取り組みの事例を参考にしながら、衛生管理者として環境をつくる努力をしてみてはいかがでしょうか。
4.まとめ
女性が働きやすいと感じる職場環境や衛生管理者の役割、取り組みの事例など説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
衛生管理者としての役割をまっとうするために、労働者にとって信頼できる立場になることが大切です。
職場への悩みや不安を打ち明けやすい雰囲気をつくっていきましょう。
そして、全体的に職場環境を観察することも大きなポイントになります。
- 出産後の職場環境
- 待遇や給与に差がない職場環境
- 職場の環境がいいところ
- 衛生管理者の役割を把握する
- 女性の悩みを聞きながら計画を立案する
- 出産や育児を支援する制度
- 女性社員のためのキャリアプラン、ワークライフバランスの講演会
以上のポイントを踏まえつつ、女性にとって働きやすい環境づくりをしてください。