衛生管理者の資格に有効期限はあるの? キャリアアップの方法とは?

職種にかかわらず、50人以上の従業員がいる職場には選任が必要な「衛生管理者」。
大企業ほど必要とされることが多いため、近年受験者が増えています。
ところで、この衛生管理者免許に有効期限はあるのでしょうか?
そこで今回は、衛生管理者免許についてや、衛生管理者が受けられる研修、さらにスキルアップをする方法などをご紹介します。
衛生管理者の資格取得を目指したいという方や、衛生管理者からスキルアップしたいという方はぜひ読んでみてくださいね。

目次

  1. 衛生管理者の資格に有効期限はあるの?
  2. 衛生管理者の資格があれば仕事には困らない?
  3. 衛生管理者がキャリアアップのためにできることとは?
  4. まずは衛生管理者の資格を取得しよう

衛生管理者の資格に有効期限はあるの?

1.衛生管理者の資格に有効期限はあるの?

衛生管理者の資格に有効期限はあるの?

衛生管理者の資格に有効期限はありません。一度資格を取れば一生有効です。
しかし、労働衛生にまつわる法令や、労働基準法は時間がたつにつれて改変されることもあるでしょう。
また、職場の常識も年月とともに変化していくこともあります。
ですから、資格を取ってもしばらく職場をはなれていた場合は、復帰をした時になかなか仕事に慣れないということもあります。
さらに、転職をすれば職場の状態も変わります。
以前の職場では当たり前だったことが、新しい職場では通用しないということも多いです。
職場の衛生管理というのはとても大切な仕事です。
しかし、最近は長引く不況のせいで、衛生管理に気を配るよりも利益を上げる方が大事、という企業は多いです。
ですから、衛生管理者が頑張って仕事をしようとしてもうまくいかない、ということも少なくありません。
そう考えると衛生管理者の仕事は決して一筋縄ではいかない大変なものということがわかります。
ただ職員の健康診断の日程作りや書類整理だけをしていればよい、というわけではありません。
日々努力していくことが大切です。

2.衛生管理者の資格があれば仕事には困らない?

衛生管理者の資格があれば仕事には困らない?

衛生管理者は、50人以上の従業員が在籍している職場には必ず選任しなければなりません。
ですから、職場を選ばなければ一定の需要はあるでしょう。
しかし、条件の良い職場が求人をかけた場合は、当然競争率は高くなります。
また、衛生管理者の仕事は体力勝負でもありませんし、女性でも問題はありません。
ですから一度衛生管理者が職場に入ると、中々交代することはないでしょう。
つまり、条件の良い職場に入社したいと思った場合は、衛生管理者の資格に+αのアピールポイントがあったほうが良いのです。
さらに、衛生管理者の資格を取った人のみに参加できる研修や取得できる資格もあります。
衛生管理者の資格を取得したからといって安心せず、さらに上の資格を目指してみましょう。
そうすれば転職にさらに有利になるだけでなく、給料アップも期待できます。

3.キャリアアップのためにできることとは?

キャリアアップのためにできることとは?

この項では、衛生管理者がキャリアアップするために取得できる資格などをご紹介していきます。
せっかく資格を取ったのですから、更なるキャリアアップのチャンスを逃さないように心がけましょう。

3-1.衛生工学衛生管理者講習を受講する

有害なガス・蒸気・粉じん等の有害業務を有する一定の事業場では、労働安全衛生規則第7条第1項第6号の規定により、衛生管理者だけでなく、衛生工学衛生管理者の選任が必要です。
衛生工学衛生管理者は、衛生管理者が3日から5日の講習を受けることで取得できます。
試験はありませんので、受けられるときに受けておけば、働ける職場がより増えるでしょう。

3-2.労働衛生コンサルタントの資格習得を目指す

労働衛生コンサルタントとは、報酬を得て職場の衛生環境の向上を指導したり、現在の職場の衛生環境を診断する職業のことです。
つまり、独立開業も可能なのです。
労働衛生コンサルタントというとなんとなく「誰もができそうだな」というイメージがありますが、れっきとした国家資格で、衛生工学衛生管理者として3年以上の実務経験がある方や、第1種衛生管理者として10年以上の実務経験がなければ受験資格はありません。
その他医師や歯科医、薬剤師などの医療職の資格がなければ受験ができない、名前とは裏腹のとても難しい資格なのです。
ですから、衛生管理者として安定した職を得られた場合は、10年後、労働衛生コンサルタントの資格取得を目指して頑張ってみるのも良いでしょう。
また、衛生管理者→衛生工学衛生管理者→労働衛生コンサルタントという風に資格をステップアップさせていくのもやりがいがあります。
労働衛生コンサルタントになれば、自分で事務所を立ち上げて、企業から報酬をもらうこともできます。

4.まずは衛生管理者の資格を取得しよう。

まずは衛生管理者の資格を取得しよう。

さて、衛生管理者の資格に期限はなく、さらに衛生管理者の資格を持っていれば、ステップアップしてさらに上の資格を取得することも可能、ということをご紹介しました。
比較的地味な資格ですが、このようにレベルアップしていくことも可能なのですね。
その為にはまず、衛生管理者の資格を取得しなければなりません。
衛生管理者になるためにも、1年以上の衛生管理の実務経験が必要です。
ですから、衛生管理者の資格を取得したい、という方は会社に掛け合って、衛生管理の仕事をさせてもらいましょう。
また、1年以上の実務経験がある方は、ぜひ資格を取得しましょう。
持っておいて損はありませんよ。
さらに、衛生管理者は国家資格の中では、1、2を争うほど試験が多いです。
なんと月3回も試験が実施されます。これならば、働きながらでも何度も資格試験にチャレンジできるでしょう。
また、衛生管理者には1種と2種があるのですが、できるならば1種を取得しておいてください。
1種ならばすべての職場の衛生管理ができますし、衛生工学衛生管理者の資格を取れる講習会に参加できます。
第2種をまずとって、第1種に挑戦したい、という方もできるだけ早く挑戦しましょう。
第1種と第2種の試験問題は共通するところも多く、さらに、第2種の資格を取得していれば、「労働衛生」の問題が免除になります。
前述したように、衛生管理者の試験は月に3度も実施されますので、頑張れば1年で労働衛生管理者の1種と2種を取得することも可能です。

おわりに

労働衛生管理者の免許の有効期限の有無や、資格のスキルアップの方法についてのまとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、労働衛生管理者の免許の有効期限の有無や、資格のスキルアップの方法についてご紹介しました。
まとめると、

  • 衛生管理者は50人以上が在籍している職場では必ず選任しなければならない
  • 衛生管理者の資格を取得したからといって、一生職に困らないということはない
  • 衛生管理者の資格からスキルアップしていこう

ということです。
衛生管理者は決して目立つ仕事ではありませんが、職場の安全管理をする大切な仕事です。
特に、危険度が高い職場ほど、衛生管理者の責任は重くなるでしょう。
また、衛生管理者は、勤務を続けていればスキルアップができる資格の受験資格を得られたり、研修に参加できたりします。
ですから衛生管理者の資格を得られたら、そのまま取りっぱなしではなく衛生管理者として仕事ができるように頑張りましょう。
労働衛生コンサルタントの資格が取れれば、独立開業も夢ではありません。
また、労働衛生コンサルタントの資格が取れれば、その資格を持っている人を雇いたいという企業も多いはずです。