衛生管理者試験を受験する際必要な事業者証明書とは?書き方等を解説

衛生管理者とは、従業員が健康かつ衛生的に仕事ができるよう、職場環境を整える職務を担うための国家資格です。職種問わず、従業員が50名以上所属している事業所には必ず選任が必要なため、転職にも役立ちます。資格取得を目指していたり、会社から取得を命じられて勉強をがんばっている人も多いことでしょう。
今回は、衛生管理者試験の受験に必要な「事業者証明書」のことを中心に、衛生管理者の職務内容や取得方法などを解説しましょう。

  1. 事業者証明書の基礎知識
  2. 事業者証明書の作成方法
  3. 衛生管理者の事業者証明書に関するよくある質問

この記事を読めば、事業者証明書の書き方もよく分かります。衛生管理者の資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.事業者証明書の基礎知識

はじめに、事業者証明書の役割や衛生管理者試験に必要な理由を解説します。

1-1.衛生管理者の受験資格について

衛生管理者の資格を取得するには、安全衛生技術試験協会が主催する試験に合格すれば取得できます。試験を受けるには、一定の実務経験が必要です。実務経験の期間は、学歴によって異なるため、詳しくは協会のホームページを確認してください。医師や薬剤師・助産師など定められた資格を取得しない限り、未経験では試験を受験することはできません。

1-2.事業者証明書とは何か

事業者証明書とは、受験を希望する人の実務経験を企業が証明するものです。安全衛生技術試験協会のホームページからダウンロードでき、以下のような内容を記入することになっています。

  • 従事経験の内容(13種類に分類されているので、丸をつけるだけでよい)
  • 衛生管理の仕事に従事した期間
  • 衛生管理の仕事を行った事業所の責任者の署名・捺印(なついん)

証明書が作成できない場合は、試験を受けることができません。

1-3.事業者証明書が必要な理由

前述したように、衛生管理者の試験は一定の実務経験がないと受験できません。衛生管理の実務経験は、特別な資格がなくてもできるものがたくさんあります。つまり、受験希望者が勤めている職場の責任者が「確かにこの人は、弊社で衛生管理の仕事を行っていました」と証明することが必要です。

2.事業者証明書の作成方法

この項では、事業者証明書の書き方について解説します。

2-1.作成をする人

事業者証明書は、事業所の責任者が作成します。たとえば、工場ならば工場長、支社ならば支社長などに作成してもらいましょう。もちろん、社長でもかまいません。必要事項を記入後、証明者の欄に、事業所名・事業所の所在地(住所)・事業者や役職名を記し、職印・会社印・個人印を捺印してもらいましょう。なお、職印の場合は単体で、会社印を使用する場合は、証明を作成した人の個人印が必要です。社長・事業所長による自筆の証明の場合、捺印は必要ありません。

2-2.すでに職場を退職している場合

すでに職場を退職している場合でも、事業者証明書は必要です。勤めていた職場に依頼し、作成してもらいましょう。また、複数の職場で勤務した期間すべて合わせれば定められた実務経験の期間を満たしているという場合は、職場ごとに事業者証明書が必要です。

2-3.勤務形態は問わない

衛生管理の仕事は、事業所によってはパートやアルバイトが行います。正社員でなければ行ってはならない、という決まりはありません。ですから、受験希望者の勤務形態は関係ないのです。

2-4.事業者証明書の提出方法

事業者証明書は、以下のような書類と共に安全衛生技術試験協会に送付します。

  • 学歴を証明する書類(卒業証書など)
  • 受験申請書
  • 顔写真

なお、事業者証明書は受験申請書裏面の指定された場所に張りつけましょう。学歴を証明する書類は原本が原則ですが、やむを得ずコピーを使用する場合は、事業所の原本証明が必要です。安全衛生技術試験協会のホームページ原本証明の作成例が載っていますので、参考にしてください。

3.衛生管理者の事業者証明書に関するよくある質問

Q.衛生管理者の試験に挑戦しましたが、不合格になりました。再受験する場合はもう一度証明書の作成が必要ですか?
A.いいえ。不合格通知の原本を受験申請書に添付すれば、証明書の添付は必要ありません。

Q.事業者証明書に期限はありますか?
A.明確な有効期限は定められていませんが、事業者証明書を作成してもらったが、何らかの理由で受験ができなかったという場合は、再受験の際に再度作成してもらいましょう。

Q.第二種衛生管理者の資格を取得した後で第一種生成管理者の試験を受験する場合、事業者証明書は必要ですか?
A.いいえ。すでに衛生管理者の資格を取得している場合は、必要ありません。

Q.衛生管理者の資格は、いきなり第一種に挑戦しても大丈夫ですか?
A.はい。受験資格を満たしていれば問題ありません。

Q.衛生管理者の受験を申し込む場合は、郵送しか方法がないのでしょうか?
A.はい。郵送か、受験する安全衛生技術センターの窓口に直接提出しましょう。電子申請は受けつけていません。

まとめ

いかがでしたか? 今回は衛生管理者の資格について紹介しました。添付書類が多いので、受験申請書を作成する際は、時間に余裕をもって行いましょう。複数の事業所から事業者証明書を取得するのは大変なので、受験資格を満たしたらできるだけ早く受験するのがおすすめです。