不合格

【必見!】衛生管理者試験に不合格になった! 次こそ合格するための対策は?

衛生管理者試験に不合格になってしまい落ち込んでいるというそこのあなた! 衛生管理者試験は、国家試験には珍しく1年に何度も試験を受けることができます。1度不合格になっても、早ければ結果が分かった次の月に再度試験を受けることができるのです。

次こそはとチャレンジ精神を燃やす人がいる一方で、「次も不合格になったらどうしよう」と悩む人もいると思います。

確かに、これまでと同じ勉強方法を続けていれば、また不合格になることも考えられるでしょう。そうならないためにも、正しい勉強方法を身につけることが重要です。

そこで今回は、衛生管理者試験に不合格になった人向けの対策方法を解説します。

  1. 衛生管理者の基礎知識
  2. 衛生管理者の資格試験について
  3. 衛生管理者試験の合否判定について
  4. 再受験までの流れと合格をつかむ勉強方法
  5. 衛生管理者の試験対策に関するよくある質問

この記事を読めば、次こそ合格をつかみ取るためのコツもよく分かるでしょう。衛生管理者試験に再チャレンジする人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.衛生管理者の基礎知識

はじめに、衛生管理者の職務内容や資格を取得する方法などをご紹介します。どのような職務を行うことができる資格なのでしょうか?

1-1.衛生管理者とはどのような資格?

衛生管理者とは、前述したように労働者が健康で働き続けられるように職場環境を整える仕事を行うことができる資格です。職務の一例として

  • 最低でも週1回の職場巡視
  • 健康診断の実施と結果の管理
  • 衛生委員会(安全衛生委員会)の設立
  • 産業医と従業員の橋渡し
  • ストレスチェックの実施をサポートする
  • 衛生教育

などがあげられます。また、従業員が50名以上所属している職場には、職種にかかわらず有資格者の選任が義務づけられているので、大企業ほど需要も高いでしょう。

なお、従業員の雇用形態は関係ありません。パートやアルバイトが49人、正社員が1名の職場でも選任は必要です。また、従業員の大部分が外部に派遣されており、事業所に常時ほとんど人がいないところでも50人以上の従業員が所属していることになっているのならば、衛生管理者の選任が必要になります。

1-2.衛生管理者の種類

衛生管理者には、第一種と第二種があります。第一種は、すべての職場で衛生管理の仕事を行うことができる資格です。第二種は、小売業など危険が少ない職場で衛生管理を行うことができます。
第二種の方が試験は簡単ですが、将来のことを考えると第一種取得を目指した方がよいでしょう。

1-3.衛生管理者の資格を取得するメリット

衛生管理者は、従業員が50名以上所属している職場には選任が必要ですから、大企業ほど有資格者の需要は高くなっています。また、第一種衛生管理者の資格を取得して実務経験を積めば、衛生工学衛生管理者や作業環境測定士・労働衛生コンサルタントなどの資格を取得できたり、受験資格を得られたりするのです。中でも、衛生工学衛生管理者は第一種衛生管理者の資格を取得していれば講習と修了試験だけで資格取得ができます。

1-4.衛生管理者の資格を取得する方法

衛生管理者の資格を取得するには、2つの方法があります。1つは、大学で理学部など特定の学科を卒業後、厚生労働省が定める講習を受けて修了試験に合格する方法です。もう1つは、衛生管理の実務経験を一定期間積んだ後で、安全衛生技術試験協会が主催する資格試験を受け、合格すれば資格を取得できます。
受験資格を得られる実務経験の期間は学歴によって異なるため、詳しくは協会のホームページを確認してください。最短でも1年以上は実務経験が必要です。

2.衛生管理者の資格試験について

この項では、衛生管理者の資格試験内容や難易度、合格点・合格率などをご紹介します。どのような試験なのでしょうか?

2-1.衛生管理者の試験科目

衛生管理者の資格試験は

  • 労働衛生
  • 関係法令
  • 労働生理

の3科目です。労働衛生と関係法令は有害業務にかかわるものとそれ以外とがあり、第一種は両方から出題されます。第二種は有害業務にかかわる労働衛生や関係法令は出題されません。
また、第二種を取得している方が第一種の試験を受ける場合は労働生理が免除され、労働衛生と関係法令は有害業務にかかわるものだけになります。

2-2.試験の特徴や申し込み方法

衛生管理者の試験は国家資格の中では最も実施回数が多く、全国各地の安全衛生技術センターでほぼ毎月実施されます。受験者が多い関東や関西のセンターでは毎月3回実施され、何度受験してもかまいません。その反面、試験の申し込みは先着順であり、会場がいっぱいになった時点で応募が締め切られてしまいます。ですから、「この日以外は受けられない」という方は、募集が始まったらすぐに申し込みを行いましょう。また、受験会場が遠い方向けに年に1度出張試験が行われるので、それを利用してもよいでしょう。

受験を申し込みたい場合は安全衛生技術センターで配布されている願書をもらい、実務経験を証明する書類と学歴を証明する書類(卒業証書など)を添付して郵送します。各センターの窓口に直接提出してもかまいません。実務経験を証明する書類は安全衛生技術試験協会のホームページからダウンロードできます。電子申請は行っていないので注意しましょう。

2-3.合格点や合格率

衛生管理者の試験は各科目で4割以上、全体で6割以上の得点率で合格です。総合で6割以上得点できたとしても、1科目でも4割以下の点数しか取れない場合は、不合格になります。

衛生管理者の試験は、第一種・第二種とも50%~60%の合格率です。これだけ見ると比較的簡単な試験と思えるかもしれません。しかし、衛生管理者の試験は前述したように1年に何回も受験できます。何度も受験すれば、それだけ合格しやすくなるでしょう。1回の試験で合格した人だけの合格率は25%ともいわれているため、決して易しい試験ではありません。

2-4.合格までに必要な勉強時間

衛生管理者試験に合格するまでに必要な勉強時間は、人によって異なります。合格者が書いたブログの中には、「1日勉強しただけで合格した」というものもありますが、それは極端な例でしょう。衛生管理者の試験は範囲が広いため、初めて試験に挑戦する方は、最低でも1か月はみっちりと勉強してから試験にのぞむとよいですね。

3.衛生管理者試験の合否判定について

衛生管理者の試験は1年に何度も行われるため、合格発表は早く2~3週間後には合否が分かります。安全衛生技術試験協会のホームページに合格者の受験番号が掲示される他、「免許試験合格通知書」が郵送されてくるので、それに従って後の手続きを行いましょう。

不合格になると「免許試験結果通知書」が郵送されてきます。また、各科目と総合の得点が記されているので、自分が理解できていなかった部分がすぐに分かるでしょう。
協会のホームページに合格者の番号が掲示され、不合格が分かった時点で再受験の申し込みができます。ですから、申し込みが間に合えば、1か月後に再受験ができることもあるでしょう。

4.再受験までの流れと合格をつかむ勉強方法

この項では、再受験の申し込み方法や今度こそ合格をつかむ勉強方法を紹介します。ぜひ参考にしてください。

4-1.再受験までの流れ

衛生管理者の試験を初めて受験をする場合は、学歴や実務経験を証明する書類が必要でした。再受験する場合は、そのような書類は必要ありません。不合格になった試験の受験票や結果通知書を添付して願書を提出しましょう。ただし、受験料の割引などはありません。

万が一受験票や結果通知書を紛失した場合は、安全衛生技術試験協会のホームページから再ダウンロードができます。

4-2.まずは得点確認しよう

試験に不合格になってしまった理由には、科目の合格点に届かなかった場合と総合点が不足していた場合があります。科目の合格点はすべて満たしていたのに総合点が合格点に届かなかった場合は、一番得点が低かった科目をおさらいしましょう。そうすれば、もっと得点できるようになります。

すべての科目が合格点に届かなかった場合は、勉強不足です。勉強方法の見直しを含め、根本から試験対策を練り直しましょう。

1科目だけ極端に点数が低い場合は、その科目だけ徹底的に勉強しなおしてください。そうすれば、点数も伸びるはずです。

4-3.勉強方法の見直し方

衛生管理者の試験は広範囲です。出題範囲をすべて勉強しようと思ったら、1年近くかかるかもしれません。しかし、それだけの時間勉強のモチベーションを保ち続けるのは大変です。また、人間の記憶力には限界があります。そこで、よく出題される範囲だけを集中的に勉強を行いましょう。満点を取る必要はないのですから、それだけで得点率がアップします。

衛生管理者試験に不合格になってしまった方は、自分の勉強方法も見直しましょう。資格取得を目指す方の多くが、仕事をしながら勉強をしていると思います。学生の頃と違い、勉強だけに集中できる時間は格段に少ないことでしょう。だからといって、週末に丸1日勉強して帳尻を合わせるという方法はおすすめできません。人間の集中力には限界があり、10時間勉強したとしても集中できる時間はその半分以下です。週末に10時間勉強するより、1日30分でもいいので勉強する習慣をつけた方が結果的に合格しやすくなるでしょう。

4-4.過去問題を活用し、参考書を工夫する

衛生管理者の試験問題は、過去問とよく似た問題がくり返し使われます。ですから、過去問を5年分ほど解けば、出題傾向は把握できるでしょう。過去問題は参考書を理解してからと思う方も多いでしょうが、まず過去問題にチャレンジし、間違ったところを参考書で確認するという勉強の方が効率がよくなります。

また、参考書の選び方にも工夫が必要です。試験範囲をすべて丁寧に解説している参考書はとても良いように思われます。しかし、ぶ厚い参考書はそれだけ無駄も多いのです。前述したように衛生管理者の試験はよく出題される場所がある程度決まっているため、広く浅く勉強するより、出題される頻度が高い部分だけを完ぺきに覚えた方が点を取りやすいでしょう。参考書は過去問題を参考に要点をピンポイントでまとめているものを選びましょう。

5.衛生管理者の試験対策に関するよくある質問

Q.衛生管理者の勉強は、予備校を利用できますか?
A.専門の講座を持っている予備校は現在のところありません。ただし、直前講習を行っている団体はありますので利用してみてもよいでしょう。

Q.第一種と第二種の試験を同時に受験することは可能ですか?
A.日をずらせば可能ですが、メリットは少ないでしょう。

Q.長く勉強すれば合格は可能ですか?
A.確かに長期間勉強すれば知識は増えるでしょうが、モチベーションを維持するのが難しいという一面もあり、一概に長期間勉強すればよいというわけではありません。

おわりに

今回は衛生管理者試験に不合格になってしまった場合の対策について紹介しました。年に何回も試験が行われるため、再試験までモチベーションが低下しにくいというメリットもあります。一から勉強しなおすのではなく、自分の弱点を得点から推察し、それを克服する勉強を行いましょう。そのためには、不合格通知をすぐに捨ててしまうのではなく、点数を見直し、弱点を見つけることが大切です。