夏は食中毒に要注意。予防法をご紹介します!!
夏は行楽の季節。
海や山へバーベキューやキャンプに出かける人も多いでしょう。
暑いとはいえ、屋外で食べる食事はおいしいものです。
しかし、食中毒が心配という方も多いでしょう。
そこで、今回は食中毒の予防についてご紹介します。
なぜ、夏は食中毒が増えるのでしょうか?
また、食中毒になりやすい危険な行為もご紹介します。
ついうっかりやってしまいがちなものも多いのです。
バーベキューや旅行の予定がある方や毎日お弁当を作っている方は、ぜひこの記事を読んで食中毒予防の参考にしてくださいね。
目次
1.夏は食中毒になりやすい時期
厚生労働省は、毎年8月を「食品衛生月間」に定めています。
日本の夏は高温多湿です。
食中毒は細菌やウィルスによって発症しますが、これらは20度以上になると活発に活動しだします。
夏は、冷房を入れていても室温が20度以上になるところが多いでしょう。
また、バーベキューなど、屋外で調理をする機会も増えるので細菌やウィルスが繁殖しやすい状況になりやすいのです。
さらに、夏は暑さで体調を崩し抵抗力が弱くなっている方も多いので、食中毒にかかりやすくなっています。
特に、子どもや高齢者は要注意です。
2.こんなこと、していませんか?~食中毒になりやすい行為とは~
この項では、日常生活でやってしまいがちな食中毒が発生しやすい行為をご紹介します。
「このくらい大丈夫だろう」と思っていると、食中毒が発生するかもしれません。
2-1.肉や魚を常温で放置する
食中毒の原因となるカンピロバクターやサルモネラ、黄色ブドウ球菌などは数時間あれば食中毒が発生する量まで増殖してしまいます。
買い物に行った後、肉や魚を常温で放置していませんか?
また、数件の店をはしごして買い物するときに、肉や魚を自転車や車に置きっぱなしという人も少なくないでしょう。
夏の買い物は、短時間に行いましょう。
また、いえまで時間がかかるという場合は、保冷材や氷で肉や魚を冷やしながら持ち帰ってください。
もちろん、帰宅したらすぐに冷蔵庫に入れましょう。
さらに、キャンプやバーベキューなどで屋外に食物を持っていく際は、クーラーボックスに入れてください。
2-2.お弁当に生野菜を入れる
お弁当のいろどりとして生野菜を入れる、という方は多いでしょう。
特に、レタスやミニトマトは少し入っているだけでもお弁当がおいしそうに見えますね。
しかし、生野菜は火を通さない分、食中毒の原因となる菌が繁殖しやすいのです。
生野菜事態に菌がいなくても、調理中に菌がつく場合もあります。
ですから、夏のお弁当には生野菜を入れないようにしましょう。
いろどりはニンジンなど火を通せる野菜にしてください。
また、まだ冷めていないお弁当にふたをすると、中の温度があがって菌が増殖しやすくなります。
朝はあわただしいですが、お弁当は冷めきってからふたを閉めて保冷剤とともに持ち歩きましょう。
職場や学校に冷蔵庫があるなら、そこで保管をすればなおよいですね。
2-3.常温で放置したものを食べる
食中毒の原因となる菌が繁殖する速度は、思っている以上に速いです。
腸炎ビブリオ菌を例に取ると、2時間で約3万倍に増殖します。
つまり、朝に作った食事を昼食の時間まで冷蔵庫に入れずに置くだけでも、食中毒の危険があるのです。
また、意外と見落としがちなのが、ペットボトルの飲料。
口をつけて飲んでいる分だけ、雑菌が繁殖する危険が高いでしょう。
また、食中毒の原因となる菌の中には「毒素」を放出するものもあります。
この毒素は、菌が消滅しても残り続けて食中毒の原因となるのです。
ですから、常温で放置した食べ物はもったいないですが処分しましょう。
2-4.調理器具の取り扱い
生肉を触ったトングやさいばしで生野菜をつかむと、食中毒になる危険性が格段にアップします。
夏は、バーベキューなどをする機会も増えるでしょう。
生肉を扱う調理器具と、そのほかの食材を扱う調理器具はしっかりと区別するのです。
大勢で調理をする場合は、生肉を扱う調理器具に目立つ色のテープをまいたり色違いのものを用意したりするなど、工夫をしてください。
もちろん、使用済みの調理器具はよく洗いましょう。
3.食中毒の予防法とは?
では、食中毒を予防するにはどうしたらよいのでしょうか?
この項では、ご家庭でもできる食中毒の予防法をご紹介します。
3-1.こまめな手洗いを徹底する
調理前はもちろんのこと、調理中も生肉や生魚を扱ったら手を洗いましょう。
また、調理器具も洗ってください。
キッチンの広さに余裕があるのなら、生肉や生魚用のまな板とそのほかの食材に使うまな板を分けるとよいでしょう。
3-2.肉や魚は中心まで火を通す
食中毒の原因となる菌やウィルスは75度以上で死滅します。
ですから、75度以上で1分を目安に、肉や野菜を加熱してください。
バーベキューなどでは、つい生焼けの肉でも勢いで口にしてしまいがちですが、努めてよく焼くように心がけましょう。
また、食物を常温で放置しないことです。お弁当は保冷剤を入れて持たせてください。
家族が夜遅く帰ってくるという場合は、食事を冷蔵庫に入れておきましょう。
3-3.もったいないからと古い食材を使わない
賞味期限が切れた生肉や生魚は、もったいないですが処分しましょう。
また、冷蔵庫は詰めこみ過ぎるとよく冷えずに雑菌が繁殖しやすくなります。
夏の買い物はこまめに行い、冷蔵庫には余裕を作っておきましょう。
3-4.具合が悪くなったらすぐに病院へ行く
食中毒の症状は、下痢や発熱、おう吐などです。
食中毒の原因となる菌の中にはカンピロバクターのように潜伏期間が1~7日と長いものもあります。
ですから、時間がたってから食中毒を発症することもあるのです。
下痢や発熱、おう吐の症状が出たら、できるだけ早く病院に行きましょう。
検査をすればすぐに食中毒かどうかがわかります。
また、子どもや高齢者は症状が重症化しやすいので、夜間でも病院を受診してください。
さらに、症状が収まっても菌が排出されている間は要注意です。
飲食店に勤務している場合は、菌が体内から排出されなくなるまで休んでください。
症状がなくなったから、と出勤すると今度は自分が感染源になってしまいます。
また、食中毒になったら下痢止めや吐き気止めは使用しないでください。
4.おわりに
いかがでしたか?
今回は夏の食中毒を予防する方法についてご説明しました。
まとめると
- 夏は食中毒の原因となる細菌やウィルスが発生しやすい。
- 生肉や生魚は短時間でも常温放置しない。
- お弁当には生野菜を使わず、保冷剤と一緒に持っていく。
- 肉や魚はよく火を通し、調理器具を分ける・食中毒の症状が出たらすぐに病院へ。
ということです。
また、肉や魚に十分注意していても、そのほかの食材で食中毒が起こる場合もあります。
一例をあげると、沢の水を飲んで食中毒が発生したこともあるのです。
高原や山へレジャーに行く方も多いでしょう。
きれいな水が流れていると、つい飲みたくなるかもしれません。
しかし、生水はきれいに見えても雑菌が繁殖している可能性が高いです。
特に、上流に民家がある場合はいくらきれいに見えても絶対に飲んではいけません。
また、飲食店を経営している方はこの時期、調理器具や手をアルコール消毒するとよいでしょう。
さらに、手や腕に傷がある場合は、きちんと手当てしてから調理にのぞんでください。