うちの会社は大丈夫? 労働安全衛生規則とは?
ビルの解体や住宅建設現場を見ると、高い場所に足場を設置し作業する人がたくさんいますね。
傍から見るととても危険に感じますが、このような仕事に携わる人は、きちんと法律によって安全面が確保されているのをご存知でしょうか。
その中でも本日は、労働中の災害を防止し働きやすい環境作りのために制定されてている、労働安全衛生規則についてまとめました。
■安全に働くために大切な法律
どんな仕事にも一定のリスクはつきものですが、就業によって命に関わることはもちろん、負傷や疾病にかかることは絶対に防がなければなりません。
また危険回避するだけでなく、毎日労働者が快適に働くためには、勤務体勢が万全であるべきですね。
そのために、昭和47年6月8日に労働安全衛生法が法律で定められました。
事業者は労働災害の発生を徹底して防止し、労働者が安心して働ける職場作りが義務づけられています。
勤務中の最低限の基準である労働基準法に対して、労働安全衛生法は労働者を保護するとともに、事業者が積極的に環境のレベルアップも求められている法律です。
■労働安全衛生規則とは
さきほど述べた法律である労働安全衛生法に基づき、特に安全基準に焦点をしぼって制定されたのが労働安全衛生規則です。
これは厚生労働省によって、昭和47年に国の省令として定めたもの。
第1編から第4編までの構成ですが、新たな危険物質が見つかったり災害があった場合、規則に順次追加されることになります。
例えば、平成21年6月1日に規則の一部である足場等関係が改正されました。
第二編の安全基準に含まれる足場等関係の項目には、架設通路及び作業構台からの墜落防止措置等に関する規則がまとめられています。
■労働安全衛生規則の具体的な例
- 現場の安全管理者、産業医、衛生管理者について
- 危険物や有害物
- 労働者の健康診断
- 様々な機械による危険防止関連
- 爆発や火災の防止関連
- 掘削作業等における危険の防止関連
- 墜落防止関連
- 労働者の休憩や食堂について
- 採光及び照明
- 救命用具
上記に挙げたのはごく一例ですが、全ては就業時に想定される様々なトラブルや危険から、労働者を守るための規則。
例えば休憩や採光問題は、労働災害が発生する原因となりうると考えられているのです。
■労働安全衛生規則を違反するとどうなる?
労働安全衛生規則は労働安全衛生法をより細かく規定したものです。
そのためもし違反した場合や労働災害が発生した場合、労働安全衛生法の根拠条文によって罰則が与えられ、責任者が司法処分されることになるでしょう。
事業者へ刑事責任や賠償責任が発生する場合も。
■おわりに
いかがだったでしょうか。
恐らく未だに現れていない危険物質や潜在的な要素については、今後規則に追加される可能性が高いです。
雇う側も雇われる側も、他人任せにせず双方がきちんと理解しておくことが大切ですね。