安全管理者と衛生管理者の違いは? それぞれの概要を紹介!

安全管理者と衛生管理者の違いをご存知ですか? どちらも50人以上の労働者がいる場所に必要というイメージがありますが、ここでは「安全管理者」と「衛生管理者」の違いについて説明したいと思います。資格取得を検討されている方や試験準備をされている方は、参考として役立ててください。

  1. 安全管理者とは?
  2. 衛生管理者とは?
  3. 安全管理者と衛生管理者の違いについて

1.安全管理者とは?

「安全管理者」とは、以下の業種で50人以上の労働者がいる場所(事業所)において、必ず一人以上配置(選任)する必要があります。

1-1.安全管理者の必要な業種について

建設業/林業/運送業/清掃業/製造業/電気業/ガス業/熱供給業/水道業/
通信業/鉱業/各種商品卸売業/家具・建具・什器などの卸売業/各種商品小売業/
家具・建具・什器などの小売業/燃料小売業/旅館業/ゴルフ場業/自動車整備/
機械修理業

「安全管理者」は、労働者の安全を管理し、危険がないかどうか作業場を巡視する役割を持っています。

また、職場での危険に対して必要な安全措置や、危険防止の対策を速やかに行うなど、職場の安全管理において重要な役割を担っています。安全管理者になるには、厚生労働大臣の定める研修を受講し、下の項目(1)か(2)いずれかの条件に該当することが求められます。

  1.  大学または高等専門学校において、理科系の過程を修了、または同等の能力を持っており、2年以上の実務経験がある者
  2.  労働安全コンサルタントである、または厚生労働大臣によって認可された者
安全管理者は、労働災害を予防し、従業員が安全に作業できるように職場環境を整える職務を行うんですね。
はい。ですから、製造業をはじめとする比較的労働災害が起こりやすい業務で選任が義務づけられています。

2.衛生管理者とは?

「衛生管理者」は、安全かつ健康・衛生的に働ける、快適な職場作りを行う管理者を指します。衛生管理者は50人以上の労働者がいる場所(事業所)において、必ず1人以上「衛生管理者」を専任するよう義務づけられています。衛生管理者は(業務の広い順に)次の3種類に分類できます。

  1. 衛生工学衛生管理者
  2. 第一種衛生管理者
  3. 第二種衛生管理者

衛生工学衛生管理者になるには、第一種衛生管理者の資格を取得した後(講習を受けてから)資格取得となります。第一種・第二種「衛生管理者」になるには、厚生労働大臣の定める研修を受講し、下の項目のいずれかに該当することが求められます。

  1. 大学または高等専門学校において、理科系の過程を修了、または同等の能力を持っており、1年以上の実務経験がある者
  2. 高校または中学を卒業した後、3年以上の実務経験がある者
  3. 10年以上の実務経験を持つ者

既に、保険師・薬剤師の免状を持つ方は、無試験で第一種衛生管理者の資格を取得することが可能です。

衛生管理者は、従業員が50名以上所属している事業所に選任が必要なんですね。
はい。職種は問いません。

3.安全管理者と衛生管理者の違いについて

安全管理者は研修を受ければOKなのに対し「衛生管理者」は、試験に合格する必要があるなど、有資格者の数が絶対的に不足している現状があります。安全管理者が必要な職場は限られていますが、「衛生管理者」は各職場において必要とされる機会が多い仕事と言えるでしょう。昇給やキャリア転職を希望される方にとって「衛生管理者」資格は、欠かせない存在となっています。

衛生管理者は国家資格なんですね。
はい。一方、安全管理者は講習を受ければ取得できます。

まとめ

安全管理者の資格は、一定の実務経験を積んだ後で厚生労働省が行う講習会を受講して修了すれば取得できます。

衛生管理者の資格は一種と二種があり、どちらも一定の実務経験を積んだ後で安全衛生技術試験協会が主催する試験に合格すれば、資格が取得できます。また、医師・薬剤師・保健師など一定の資格を取得していれば労働基準監督署へ申請を行うだけで第一種衛生管理者の資格取得が可能です。衛生管理者の試験内容などについてはこちらの記事にも詳しく記載されているので、資格取得を考えている方は、併せて読んでみてください。